2011/07/21

受け継ぐもの

世界で一番尊敬しているのは誰ですかと聞かれたら、私は父親と答えます。
思春期、反抗期、どん底の時期もありました。
恥ずかしいと思った時期もありました。
でも本質はそこではないと、柵から開放され、社会人として自立した今ならわかります。
経済社会の、一般的と言われる物差しで推し測るには、あまりにも異質な存在。
深く、広く、果てしない存在。
それでいて、切なく、ギリギリで、消え入りそうな。

世界で二番目に尊敬しているのは誰ですかと聞かれたら、私は母親と答えます。
父とは真逆の堅実さをもった女性。
幼い頃出て行った母親には捨てられたのだと思っていました。
でも母の忍耐と協力なしには今の私は無かったでしょう。

お互いに元に戻る事はなくとも、父は母の堅実さを褒め、母は父の思考や考察に敬意を払います。
今の2人の距離とこれまでの長い時間があったからこそできること。

娘は子を持つ事は無いかもしれません。
それも一つの選択だと思っています。
でも、両親から受け継いだ考え方や価値観を後世に残す方法は、子孫を残すことだけではないと信じています。
これからも、自分の周りに無かった世界、異なるものを求めて、さまよい楽しむことでしょう。

おわり。

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